ボーイスカウト吹田2団【平成18年1月15日発行】


第168号


ち か い 団委員長 藤 井 武 司 

みなさん新年あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え皆様は、今年どうなりたいか思いをめぐらせ計画を立てられたことと思います。
子供の入学、進級、受験、仕事や家族、健康等。私も具体的なことは中々浮かんでこなかったのですが、ぼんやり考えている中、以前に聞いたやり取りを思い出しました。
質問者:「あなたがボーイスカウト活動をしていて良かったと思うことはどこですか?」。 
回答者:「それは制服を脱いでいる時です」。
長年スカウト活動をしておられる方へのインタビューの中での話。 質問者は、飯ごうで飯が炊けるとか、テントが張れる、ロープ結びが出来るなど技能面での答えを予測していたそうですが、出て来た答えは、スカウト運動の基本的な精神”ちかい”でした。
 ちかい:私は、名誉にかけて次の3条の実行をちかいます。
       神(仏)と国とに誠をつくし、おきてを守ります。
 いつも他の人々を助けます。
       からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。
私利物欲を追求するあまり、昨年はその歪が大きな問題となりました。拉致、偽造、手抜き等々・・・。今私たちに問われている「信頼の回復」は、”ちかい”に答えが有るではないでしょうか。
今年もどうぞよろしくお願致します。



12月18日 団行事 もちつき ビーバーブ隊 


2年に1回の餅つき、今年は暖冬といっていたが、10〜20年ぶりの寒波で全国的に大雪の所も出ている。今日も午前中はそうでもなかったが昼からは風も出て寒かった。
8時にはリーダーたちが集まって団倉庫や他から借りている物を取りに行ったり、買い出ししたり、お湯を沸かし、もち米をふかす準備をする。



スカウトたちは9時30分集合。10時から開会式。
開会式が終わり蒸しあがったもち米を臼の中にいれ、こね始める。ある程度つぶしたらスカウトたちにつかせる。
ビーバーは杵は、軽いものを使わせる。

一通り終わってもスカウトは又つきに来る、つきたい、つきたいと何回も。なかなか餅つきは体験できないのでいいんじゃないだろうか。
大根おろしの餅・きな粉もち・あんこもち・五平餅。

五平餅は、各自で一握り程の蒸しあがったもち米をナイロン袋入れて、手でこねながら割り箸に巻くようにして袋から出し、炭火で色よく焦げ目がつくくらいに焼いて食べる。醤油を刷毛で少しつけてもう一度焼くと美味いにおいがしてくる。大人も夢中になる。
昼近くになると、おすましの中に餅を入れてお雑煮で食べる。これもなかなかいい味がして美味しかった。みんな何杯もおかわりしていたようだ。後半に入ってお月さんでウサギさんがついているような杵を使って数人でついていた光景もよかった。
閉村式が終わり、お土産についたおもちをもらってビーバー隊は解散。
今年1年皆さんお疲れ様でした。


12月18日 クリスマスパーティー カブ隊

団行事「お餅つき」の後、クリスマスパーティーを行いました。まず、松ぼっくりで小さなサンタクロースを製作し、壁面の星型の小枝のリースにつけました。ボンドが乾いていないうちにつけたものは、帽子が取れてしまったりしましたが、かわいいサンタがたくさんできました。





いよいよ、メインイベントのマジックショーの始まりです。トップをきって、隊長がMr.マリックばりの見事な超(?)能力マジックを披露しました。菊野副長の鮮やかな手さばきのマジックに続き、各スカウトのマジックショーです。カードを使ったもの、お金やロープ(ひも)を利用したもの、でんじろう先生もびっくりの科学マジックも飛び出しました。皆、家で何回も練習してきてくれたのか、スカウトの顔は自信に満ちあふれていました。見ている私たちリーダーも思わず大きな拍手を送りました。

それから、市販のケーキで楽しいティータイムを過ごした後、恒例のプレゼント交換をしました。
ジャンケン汽車で全員が一列に連なったところで、ワクワク,ドキドキで先頭から順にプレゼントをゲットしました。
体験に来てくれた児童とそのファミリーも笑顔で帰られて、ほっとした一日でした。


「体験・体感・体得」 育成会 相談役  樫  寿 紀

 
「体験」とは文字通り、「体で調べる」とある。スカウト活動の最も大切な野外活動の位置づけは、「体験」に置いている。キャンプ、ハイキング・山行きにしろ、自らが動かないとプログラムは遂行できない。
山の頂上は、自分の足で一歩一歩を運ぶことでしか到達できない。その頂上からは決して近づいてこない。キャンプでは、自らがテントを運びたてないと住居は確保できない。
食堂と違って、オーダーして食物が目の前に置かれることはない。ちからを出し合い・助け合うことで、不便なキャンプ生活が面白く・楽しくなる。不便さ故に工夫・我慢することを鍛えられ、日常生活の便利さが判る。また友情が育まれ、日頃感じることのない自然の美しさ・豊かさに感激の念が呼び覚まされる。
それは、「体験」した者でしか無い感動・感激があり、身に染み付いた「記録」として生涯の自分だけで残した足跡になる。それを数多く持った人の人生はきっと心豊かなものとなり、それを次の世代に引き継ぐ指導者になる動機付けになるかもしれない。

「体感」とは体験して数多くの「汗と忍耐と喜びと感動」の積み上げから得られるものであろう。
ジッとしていても決して身につくものではない。一度二度の体験で得られるものは、忘れるのもきっと早く定着しない。同じ体験でも一回一回「初体験」として捉えてひた向きに取り組めば、その「体験」は違ったものになろう。
「体感」は理屈や学問や技術・名誉地位・キャリアで身につくものではない。理屈や机上論だけで動かない者には「体感」は無く「やった者勝ち」であり、スカウト活動は正にそこを目指している。
それらを伝えられるのは「体感」を肌で感じた人だけ。

「体得」とは「体験・体感」した結果である。即答えが出るものではなく、スカウト活動を卒業した後とか、親になって我が子に出会ったときに「何かを体験」させたいと思った時など。身に染みたものが我が身から醸しだされたり滲み出されたりするのは、「体得」した人からしか出てこない。
その醸し出しとか滲み出しとかを感じられるには「スカウト活動をやっていて良かった・楽しかった」と思える人だけであろう。活動中には、しんどさ辛さで逃げることを画策したに違いない。
人間関係で価値観の違いで衝突したことがあったであろう。最後までやり遂げることで「体得」したものは、生涯の自分の宝として身に付いて離れることはない。
スカウト活動はこの三体「体験」・体感」・「体得」が我が物になることを目指すのではないだろうか。