
船で18時間、バスで17時間、合わせて35時間の長旅だった。
メキシコシティーでは、日本人旅行者の溜まり場である『ペンション アミーゴ』にお世話になった。
ゆっくりと久しぶりに日本語を喋るはずだったのだが、今までの無理がたたったのか激しい下痢に襲われてしまった。
とにかくひどい下痢で、トイレから帰ってきてもまたすぐにトイレに行きたくなる。
こんなことを数時間繰り返すと、最後のほうでは紙で拭いていると痛くなってくる。紙も勿体なかったので、タイに行ったときのように手で拭いて、その手を水で洗い流すようにした。
そうするとかなり気持ちが良く、その後の下痢のときはいつも手で拭いていた。
薬を呑み、次に、熱を下げる為に、持っている服を全て着込んで横になったが、なかなか寝付けなかった。
ボーッとしていると、急に吐き気がし、トイレに駆けこむとおもいっきり吐いた。同時に下からも出し、上からと下からとで体内にあるもの全てを出してしまった。
それが良かったのか、おかげで熱も下がり、汗も出てきた。
やっとの思いで落ち着いたので、部屋に戻り体温を計ると37’5度まで下がっていた。とりあえず一安心だ。
その後もトイレに数回行った。全てが水分のような便しか出てこなっかたが、どうやら下痢は治まったようだ。
ここ、『ペンション アミーゴ』で偶然にも、自転車で旅をしている夫婦に出会った。
やはりこういう出会いは、旅の励みにもなるしうれしかった。その夫婦は3〜4年かけて世界一周に出ているらしい。
サボテンを原料にしたお酒『テキーラ』を飲みながら、いろいろな話をし時がたつのを忘れてしまった。
メキシコシティーの町は、スペインの植民地時代の建物が多く、どれもがすばらしい。
毎日街中をフラフラとしていたのだが、メキシコシティーの地下鉄は強盗が多いらしく、カメラを持ち歩かなかったので、あまり写真が撮れなかったのが残念だった。
実際、ペンションにいた女性旅行者は、地下鉄でかばんをナイフで裂かれ、中身を取られたらしい。
近くにテオティワカンという古代文明の遺跡があり、サイクリスト夫婦たちと見物に行った。
さすがに、このあたりでの最大級のものというだけあって、見ごたえはあったが、いざそれらのピラミッドに上ろうと近づくと、ほとんどがコンクリートに固められ、あまりにもきれいすぎた。
今ひとつ重みの無い石の塊のようにしか見えず、ちょっと拍子抜けな感があった。
それでも想像力を働かし、当時のその頃を想像しながら歩いてみると、古代文明の世界にひたて十分にすばらしかった。
いよいよメキシコシティーを出発するときがきた。
サイクリスト夫婦とおたがいの旅の無事を祈り、そして日本での再会を誓い別れた。
おたがいのルート上、もう日本でしか会えないと思っていたのだが、チリでまさかの再会を果たすとはこのときは思ってもいなかった。<
第6話へ続く )
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