中南米の大自然と遺跡の数々。
9ヶ月に及ぶ縦断の記録です。
第34話 <<帰国>>
<<帰国>>
機内アナウンスで「当機はまもなく着陸態勢にはいりますので・・・」というお決まりのアナウンスが流れ始めた頃まだ、四国上空を飛んでいた。こんなに早く着陸態勢にはいるのかと感じたが、それからあっという間に無事3月12日定刻の16:10に関西空港に着陸した。飛行機から降り、機内に預けてある荷物が出てくるターンテーブルで待っていると、スーツケースや大きな鞄と並んで愛車Fogata号と見慣れた大きな青い袋(輪行袋:自転車でのツーリングなどの際に使う自転車などを入れておく大きな袋)が流れてきた。何となく周りの視線を感じたがぼろぼろになった自転車とかなりくたびれた輪行袋を引きずって税関審査を受ける列に並んだ。
館内放送では「最近、バンコクからの便で麻薬の持ち込みが増えていますので、麻薬犬の荷物検査にご協力ください。」と呼びかけがあり、麻薬犬が2匹ほど麻薬捜査官に引きつられ近寄ってきた。輪行袋にはテントをはじめとし旅先での家財道具一式を入れていたが、麻薬犬のうちの1匹が輪行袋の周りに来たときにぐるぐると回り始めた。他の乗客の前では通り過ぎるだけだったので、捜査官はもちろんのこと、周りにいた人たちも「何だ?」と言う具合にじっと見ていた。内心、「麻薬なんか持ってないから早くどっか行け!シッ!シッ、シッ!!」と思いながら、もし、一声「ワン!」と吠えたらどうしようかと心配していたが、何度かぐるぐる回った後、その犬は何事もなかったように通り過ぎていき、一安心した。たぶん、他の乗客はタイからの帰国なのに、一人だけ南米からの帰国でかなり臭いが違ったんだと思うけど、それにしても一時はどうなるかと思った。

やっと税関審査の順番が回ってきたかと思うと、やはり必要以上に質問をされたように思う。ただ、南米からの帰国だと言い、一応中身を少し見せると問題はないと認められ、無事帰国を果たした。その後、飛行機に乗る前に抜いていたタイヤに空気を入れ、輪行袋から荷物を取り出し自転車に取り付け、そして、自転車を押しながら国際線の到着ロビーに姿を見せると迎えに来ていた家族や友人との再会する事が出来た。両親の姿を見たとき気のせいかまた年をとったように見えた。
何から話せばいいのか解らなかったが、とりあえず、「ただいま!」と言った。
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